マツド・サイエンス研究所

メーヴェ・・ のようなモノ

八谷さんが作って居る「メーヴェ・・のようなモノ」の紙飛行機を入手した。早速作ってみた。

八谷さんは、実際に人が乗れる大きさの「メーヴェ・・のようなモノ」を製作して居て、愛地球博にも展示したくらいだ。既に完成していて、後は試験飛行を残すのみとなって居る。

紙飛行機を作ってみると判るが、この「メーヴェ・・のようなモノ」、翼端部に意外と大きな後退角を持って居る。複雑なガル翼のため、写真などでは、この後退角は判らない。

この後退角こそ、安定の秘密だ。

実際に、紙飛行機を飛ばしてみると、ピッチ軸周り(上下)の安定は全く問題ない。

だが、ヨー軸周り(左右)の安定/復元性の不足が気になった。全く飛ばない訳ではないのだが、ちょっとした横風で、ひっくりかえる。

紙飛行機を横から見ると、胴体前部、実機ならジェットエンジンが入って居る部分が大きすぎる。これがヨー軸周りの安定性不足の原因になっていると推測される。

メールで、八谷さんに聞いたところ、「メーヴェ・・のようなモノ」の実機を設計された四戸さんという方を経て返事をもらった。

「この紙飛行機、10円玉を重りに使うため、実機よりも胴体前部の幅も長さも大きくして居る」との返事を受けた。

こりゃ、ヨー軸周りの安定/復元性が不足していて、当然だ。

スケール機のフライングモデルを作ったことのある人なら判ると思うが、特にフリーフライト機は、実機よりも安定性を大きめにしないと安定して飛ばない。

だから、主翼の上反角を大きめに、尾翼を大きめにすることが多い。

特に、紙飛行機のような平面胴体の場合、実機をそのままのスケールダウンしたプロフィールで胴体を作るとヨー軸周りの安定が取れないことすらある。これは、実機の胴体は円筒形なのに対し、紙飛行機は平面であるからだ。横から風を受けた時、円筒形の胴体なら、風は上下にスムーズに抜ける。これに対して、平面の胴体は横風をモロに受ける。つまり、平面の胴体は、円筒形の胴体より横風の影響を受け易いのだ。胴体、特に胴体前部が横風の影響を受け易いと、ヨー軸周りの不安定性を生む。

ただでさえ、ヨー軸周りの安定が不足しがちな紙飛行機に実機よりも大きな側面の胴体前部が付いて居れば、ヨー軸周りの安定/復元性が不足していて仕方が無い。

また、「メーヴェ・・のようなモノ」では下反角の付いた翼端部が垂直尾翼代りになって、ヨー軸周りの安定性に寄与する。しかし、紙飛行機の場合、どうしてもロール軸周りの安定性のために、上反角を大きめにしがちだ。そうすると、下反角が不足してヨー軸周りの安定不足になると言うことも四戸さんから聞いた。

もっと紙飛行機らしく飛ばそうと、ヨー軸周りの安定のために、ナウシカ(?)の紙人形を作ってみた。

人形は、上下に足を開いたポーズを取らて、垂直尾翼の効果をねらった。

実際に飛ばした所、予想通り、安定性が増し、姿勢の変動や横風などの外乱からの復元性も、格段に向上した。

以前は直線の滑空がやっとだったが、「これなら、いけるかもしれない」と斜め上方に投げてみた。

滞空競技用紙飛行機ほど、全力で投げるのは無理だが、軽い急上昇から旋回滑空に入れることに成功した。

秋空の中、ゆっくりと旋回しながら飛ぶ「メーヴェ・・のようなモノ」の上に、ナウシカ?の人形が見えた時は、まるで映画の一場面のようだった。

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「メーヴェ・・のようなモノ」の入手方法については、次のリンクを

  ・ペーパープレーンキットのご案内

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