マツド・サイエンス研究所

ジェデルスキー翼

50 センチ級オールスチレンペーパーのゴム動力機ビーグル号に、今回はジェデルスキー翼を作ってみた。

ジェデルスキー翼とは、小型の模型飛行機に良く使われる翼型(翼の断面形状)だ。(ちなみに、この図はザウルスが元気な時に描いておいた図だ)

図の一番上が本当の飛行機も使っている一般的な翼型だが、ジェデルスキー翼は二番目のような形だ。

普通は、前半を厚いバルサをサンドペーパーなどで整形した物で、後半を薄いバルサ板で作る。

簡単に作れる割りには性能が良いので、模型飛行機に使われるのである。

今回、製作したジェデルスキー翼は、図の三番目のように一枚の薄いスチレンペーパーを折って曲げて製作した。今までの翼は、図の一番下のようにスチレンペーパーを「へ」の字に折っただけのものだ。

写真のように、0.5ミリ厚のスチレンペーパーに、1ミリ厚のスチレンペーパーで作ったリブ(肋骨)とスパー(桁)を中に入れて、製作した。

今までの主翼は1ミリ厚のスチレンペーパーで作った。今回作ったジェデルスキー翼は、今までの主翼と同じ大きさで、形状もできる限り似せている。(さすがに、前縁の折り曲げの直線部だけは、どうしようもないが)

仕上り質量は不安だったが、0.5 グラム増えただけだった。

0.5 ミリ厚のスチレンペーパーを使ったおかげで、軽量化できたのだろう。

ただし、強度には不安がある。D型になった前半分が意外と強度を持っているようなので、何とかなるだろう。

これが、完成した写真である。

実際は、二週間も前に完成していたのだが、このところ、天気が悪く、飛ばすことができなかった。

今朝、早起きすると風が無い。早速、いつもの江戸川河川敷に行く。

ところが、だんだん、風が強くなってきた。

河川敷に着いた頃には、相当風が吹いていた。

それでも、手投げテストだけでもしようと、投げてみた。

良く飛んでいるのか、風に流されているのか、判らない。

諦めて帰ろうかと思う矢先、突風が吹いた。

右手に持っていた機体の主翼が「シャリッ」と音がして座屈した。

風に対して、正対して持っていたはずだが、バンザイしてしまった。

写真で見るより、主翼の損傷は少なく、折れたところを補修しただけで飛行可能だと思う。

しかし、ショックは大きい。

今回作ったジェデルスキー翼は、強度的に実用的では無い事がはっきりした。

スチレンペーパーは引っ張り方向の強度は意外とあるが、圧縮方向の強度はほとんどない。

スパー(桁)に桧材などの圧縮方向の強度を持つ部材を使って強度を上げる必要性があると思うが、それでは重量増は避けられない。

そもそも、このくらいの小型模型飛行機のレイノルズ数が小さい領域で、ジェデルスキー翼が有効なのかすら判らない。

ジェデルスキー翼は、まだ続けるつもりだが、意外と苦戦しそうだ。

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