マツド・サイエンス研究所

オリンパス OM-2

長い間、人に貸していた古いカメラが戻って来た。

学生時代から就職してしばらくの間、メインカメラだったオリンパスOM-2N である。

元々 OM-2 が出た直後買ったのだが、初期ロット特有の不具合か、何度もシャッターが壊れ、修理を繰り返すうちに、向うから「差額を払ってくれれば、新型に交換する」と言われ、OM-2N に代ってしまったいわくつきのカメラだ。

このカメラ、若い時代にメインカメラだったから、種子島勤務の時も持って行って、あまりの湿度にレンズにカビを生やしたり、インドネシアで日食の写真を撮ったり、思い出がいっぱい詰まって居る。しかし、就職して何年か経ってから、メインカメラはニコン F3に変えたので、最近は使って居ない。

親父が相当なオリンパスファンで、ペン E から始まって、ペン F、OM-2、XA2 とオリンパスのカメラが家には沢山有った。

私が、OM-2N を使って居たのは、このように親父の影響が大きいのだが、それにしても、私の友人には、OM-1 や OM-2 を使って居た人が多い。異常じゃないかと思える比率だ。

「ニコンやキャノンに比べたらオリンパスは安かったからね」と言うが、それじゃ何故ミノルタやペンタックス、リコーやコニカ等を使って居る人が居ないんだろう。同じキャノンやニコンにしたって、AE-1 やニコマートのような廉価版があったのだから、確率的に、オリンパス以外のユーザーが居たっておかしくないはずだ。

ところが、私の友人には、統計的に特異なほど OM シリーズのユーザーが多すぎる。(別に統計処理した訳じゃないが・・)

類は友を呼ぶと言うが、私がオリンパスを使って居た理由は、ある程度共通的に私の友人にはオリンパス・ユーザーが多い原因になるのではないだろうか?

私がオリンパスを使って居た理由は、まず第一に親父の影響が大きいのは先に述べた通りだが、この理由は一般化できないだろう。むしろ、二番目の理由が、私の友人に共通的な原因のような気がする。

それは、私がオリンパスのカメラに「粋」を感じたからだ。

ペン F や XA にも粋を感じるが、なんと言っても OM シリーズには特に「粋」を感じる。

昔の事を知って居る人も減ったかもしれないが、OM-1 が登場する以前の一眼レフカメラは大きくて重かった。

そこに、OM-1 がデビューした時は、本当にショックだった。

こんなに小さくて、フルサイズの一眼レフができるとは思って居なかった。それなのに、OM-1 はやってきた。小さくても、安っぽくも無ければ、格好悪くも無い。むしろ相対的に大きく見えるレンズが格好良いくらいだ。逆に OM を見慣れてしまうと、それまでのカメラが不格好に見えてしまうくらいだった。

そんな OM を一目見て好きになった。

すぐに OM-1 を買うことはできなかったが、しばらくして OM-2 を買うことができた。

私の友人に OM ユーザーが多いのは、同じように OM の粋に惚れたんじゃないかと思う。

ずっと、後になってから判ったのだが、私や親父が惚れたオリンパスのカメラは、皆、米谷氏と言う人の設計だったようだ。

カメラに設計者のサインが入って居る訳じゃないが、それでも気に入るカメラが同じ設計者のものと言うのは何か感じるところがあるのだろう。

どうやら、気に入る製品が同じ人の設計だと言うことがあるようで、学生時代に乗って居たシティと、就職してから買った CR-X は同じ人の設計らしい(この話は裏を取って居ないので、間違った情報かもしれない)

本当に、設計者のサインが無くても、その人の設計だと判るようなら、それはそれで大したもんだと思う。

オリンパスのカメラに、粋を感じなくなったのは、ちょうどオリンパスがオートフォーカスに追いつけなくなったころで、私のメインカメラもニコンに移ってしまった。(そのニコンのカメラもオートフォーカスで無いところが可笑しいが)

この頃、米谷氏が設計を退いたのか、どうかは知らないが、それ以降のオリンパスのカメラに全く興味が沸かない。

デジタルカメラになっても同様で、今のオリンパスのフォーザーズ・デジタル一眼レフカメラには全く幻滅して居る。元々、フォーザーズは、他のデジタル一眼に比べて CCD サイズが小さいのだから、ボディサイズを小さくするなり、他に方法はあっただろうに。不釣合いなくらい大きいボディを見ると欲しいとは思わなくなる。(ダストリダクションとか良いシステムもあるんだけどねえ)

サイズの小さい CCD のメリットを生かしたデジカメは、オリンパスじゃなくて、パナソニックの FZ-1 の方で、もう三年も使っている。このカメラ、一眼レフではないが、高倍率ズーム付きのデジカメとして、フィルム式カメラでは在り得ないスペックをたたき出したのは称賛に値する。(この FZ-1 及び後継機も、私の友人の間で異常にユーザー数が多いカメラである。ちなみに我が親父は現在 FZ-5 を使用中)

このままじゃ、本気でフォーザーズに期待できるのはパナソニックのデジタル一眼になってしまう。

ペン F や OM のように「小さくても貧相じゃない、むしろスタイリッシュな一眼レフ」はオリンパスの真骨頂だろう。

二代続いたファンとして、オリンパスに叱咤を込めてエールを送りたい。

「本気でフォーザーズ・デジタル一眼レフを作ってくれ!」

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