マツド・サイエンス研究所

2006年の夏を楽しむ

昨年の夏に話題になった2作品を見た。完全に一年の流行遅れだ。

両方とも、中年のオジサンが見るにはちと恥ずかしい作品だ。が、昨年から松浦さんをはじめ、多くの人が絶賛しており、今年の星雲賞は、この2作品の一騎打ちだと言われて居るほどようなので、両方とも見た。

一つは、涼宮ハルヒ。ハンダ付けの合間に、アニメと原作小説の既刊全冊を一気に見た。

なるほど、面白い。身も蓋も無く言ってしまえば、他愛のない良くある話なかもしれないが、逆に徹底的に他愛のない話に徹して描き切ったのが良かったのだろう。しかし、このアニメ、この順序で放映して視聴者が良く引かなかったねえ?

ところで、SOS団の三人組は往年のNHKドラマの「タイムトラベラー」「なぞの転校生」「まぼろしのペンフレンド」のオマージュだと思うんだが、どうなんだろう?

関連で、同じく一年遅れで、長門有希の100冊と言うのも見つけた。これを見ると、「太陽の簒奪者」と「海を見る人」が入っているではないか。と言うことは、あとがきまで飛ばす事なく読んだなら(あとがきどころか、ISBN番号まで飛ばす事なく読むような気がする)、少なくとも2回は、私の名前が読まれたことになる。これは光栄なことなんだろうだなあ。と、良く見ると、いつの間にか文庫判の「太陽の簒奪者」のあとがきに原作者の谷川氏が加わって居るでは無いか。こりゃ、あとがきを読み飛ばすことは無いか。

もう一作は、アニメ「時をかける少女」。原作は既に35年前から何度も読んで居し、ドラマや映画になった作品も何度も見て居る。二十数年前に原田知世が主演した映画版には完全にトチ狂って、ロケ地尾道・竹原巡礼までしたほどだ。

いやはや、今回のアニメ版は良くできて居る。全盛期の宮崎駿が「時をかける少女」を作ったら、こうなるんじゃないかと思ってしまった。トトロのサツキとメイが高校生になったら、このアニメの主人公のようになるんじゃないかな? 見て居る方が恥ずかしくなるほどにストレートに喜び、走り、泣く。

両作品に共通して居ることは、ストレートな演出なんだと思う。もちろん、SF的要素を入れた時点でヒネって居るのかも知れないが、話の主題は両方ともヒロインの精神的な成長を正面から描いているだけだ。逆にSF的要素を入れたからこそ、本題をストレートに描けたのかもしれない。そのストレートさが好感持てる。

しかし、まだ、こう言った話を面白がる若さ(馬鹿さ?)が、自分に残って居たとは、少々驚きである。既に書いたが、原田知世とかにトチ狂っていた時期もあるので、そう言った素養がある事は承知して居たが、四十過ぎても進歩なしか。とは言え、つい先日も島本須美(ナウシカやクラリスの声優)に「野田司令!」と言ってもらった録音を、同年代の東大のN教授に聞かせて悔しがらせて喜んで居たのだから、まあ、どうでも良いか。

さて、なんで今頃、昨年夏の作品を見たかというと、昨年の夏はそういう小説とかアニメを見る余裕が全く無かったからだ。昨年は公私ともに忙しくて、娯楽作品を見る精神的な余裕は無かった。とは言っても、私の2006年夏は、つまらない夏を無為に過ごしたのではない。それなりにエキサイティングな夏を過ごした。どうエキサイティングな夏だったのかは、まだ書ける時期ではない。もう少し落ち着いたら、書こうと思っている。

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