マツド・サイエンス研究所

Grape-DR

先日、三鷹の国立天文台に行った時、昼食を食べていたら、偶然、牧野さんに会った。

チャンスなので、現在、開発中の Grape-DR を見せて欲しいと頼んだところ、快く見せてくださった。最近、「仕分け」での次世代スパコンの凍結とか、色々と忙しいところを見せていただいて、大変有り難い。

Grape-DR が、スパコンなのかは意見が分かれるところだと思うが、要は超小型の計算機を思い切りたくさんネットワークで結んだものだと思えば良いだろう。一つ一つの計算能力は小さくても、それらが合わさると強力になると言うアレ。だから、凍結された次世代スパコンよりも、ずっと低コスト。

で、Grape-DR を見せてもらったのだが、部屋中に、レストランなどで使う食器棚用のステンレスラックが並び、その上に、基盤丸出しの状態で沢山のコンピュータが置いてあり、それらが高速ネットワークで接続されていた。

以前見せてもらった Grape-6 と同じで、相変わらずのガラクタ状態。知らない人が見たら、絶対世界有数の性能を誇るコンピュータだとは思わないだろう。

まだ、100%の性能ではないかもしれないが、久々に見た Grape は、ちゃんと動いていた。ちょっと安心。

ステンレスラックに乗っているコンピュータ一つ一つは、秋葉原で普通に売っている i7 マザーボードだ。ただし、拡張スロットに Grape-DR ボードが刺さっている。このボード上には、4つの Grape-DR チップが乗っていて、それぞれのチップには、512 個の計算機が入っている。つまり、一枚の Grape-DR ボードには、2048個の計算機が入っている事になる。これを付けたコンピュータが大量に超高速ネットワーク(イーサネットではない)で接続されている。部屋中にあるコンピュータの中にある計算機の個数の合計が、一体いくつなのか・・・私には判らないけど、相当な数だろう。

さて、 Grape-DR ボードが、グラフィックカードの GPU に似ているなあと思ったら、正解。ただし、ハイエンドの Geforce GTX 295 でも、480個の計算機しか持っていないから、Grape-DR ボードの方が遥に数が多い。

だから、グラフィックボード付けたコンピュータを集めて、ギガイーサネットワークで結んだら、それなりに高速計算できる・・・って書こうとしてたら、実際に、長崎大で、それをやったってニュースが流れているね。

むしろ、思うのは、そう言う本当に色々と挑戦している人たちの研究室って、ごちゃごちゃとしていて当然なんだけど、一般的には「高性能なコンピュータは大きくて綺麗で整理されている」って思われているのかもしれない。

そう誤解される程度なら良いんだけど、逆に「大きくて綺麗で整理されているコンピュータでないなら、高性能ではない」なんて思われているかもしれないところが怖い。

まあ、他人ごとではなくて、私の業種でも、人◯衛◯を作るのに、防◯服やク◯ーン◯ームが不可欠なんて思われているかも知れないけど・・・・・ははは。

科学者って、白衣着ていると言うイメージが先行しているけど、実際に研究している人は作業着だよ。

で、ジーンズは元々作業着だから、意外とジーンズはいている人が多いんだ、本当。

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