マツド・サイエンス研究所

UNITY GMONE KDE

UNITY を使い始めて、一ヶ月。

まだ、未完成な部分は残っているものの、使い勝手は悪くない。

しかし、なんか嫌な感じが、デジャブーのようなものを感じるのは、私だけだろうか?

Ubuntu 11.04 をインストして一ヶ月。まだ、メインで使っているのは Ubuntu 10.04 だから、それほど使い込んだ訳ではないが、新しいユーザーインターフェースの UNITY にも慣れてきた。まだ、細かいところで作り込みが足りない部分もあるが、些細なことなので今後改善されるだろう。その分を考慮に入れると、UNITY 自体は相当良い出来で、Ubuntu の使い勝手を大幅に改善する可能性を秘めていると思われる。そのように技術的には良くできているが、いや良くできているからこそ、逆にデジャブーのような嫌な予感がしてしまう。それは、UNITY が Ubuntu を作っているカノニカル社オリジナルなプログラムであるからかも知れない。

私は、Ubuntu の前は Debian を使っていた。その前は Vine や Red Hat と言った RPM 系列の LINUX を使っていた。何故、RPM 系列から、Debian・Ubuntu の DEB 系列に移ったかと言うと、Red Hat が無料版を止めたからに他ならない。もちろん、Fedora や Cent OS など、Red Hat 後継とも言える無料ディストリビューションもあるが、本家本元の Red Hat が無料版を止めたことにより、将来性に不安を感じたのは間違いない。

現在、DEB系列のディストリビューションを使っているのは、本家本元の Debian が無料配布を止めることなどあり得ないと思ったからだ。それなのに、Debian 自身ではなく、同じ系列でも Ubuntu を使っているのは、単に Ubuntu の方がインストールが楽なのとアプリケーションがやや新しいためだ。仮に、Ubuntu が無料配布を止めても、すぐ Debian に戻って、同じ環境を復活できる。

ところが、Debian の最新版である Squeeze をインストールし、ほとんど同じ環境が構築できることを確認した時に気が付いた。Debian Squeeze のインストールは、以前の Debian とは比べ物にならないくらい簡単だったのだ。今や Ubuntu のメリットである楽なインストールの優位性は大きなものではなくなってきている。

Unity の登場は、それを変えた。Unity は Ubuntu オリジナルのもので、Debian に入れるのは不可能ではないにしても、かなり困難を伴うと思われる。今までのユーザーインターフェースである GNOME なら、古いバージョンであろうが、新しいバージョンであろうが、Debian にインストできないことは無い筈なのに。

Unity に使い慣れると、それが便利であればあるほど、Ubuntu から離れられなくなる。それが、Ubuntu が有償化した場合でもだ。

もちろん、Ubuntu が有償化するなどと誰も言っていないが、それを勘ぐるほど、Unity は良いできなのだ。そして、特定のディストリビューションからユーザーを離れないようにする最も良い手段が、他では使えないユーザーインターフェースが一番効果的であることが明確だからだ。

一方の GNOME であるが、遅れていたとは言え、とうとう GNOME3 がリリースされた。Fedoraで先行的に採用されたので、まだ試してはいないのだが、かなり良さそうな評判がネット上から流れてくる。とは言え、GNOME3 に一抹の不安を感じるのは私だけだろうか?

実は、Ubuntu でGNOMEを使う前、Debain時代までは、KDEをメインで使っていた。Ubuntu も最初は Kubuntu を使うほどの KDE ユーザーだった。

ところが、KDE のバージョン2や3までは良かったのだが、KDE4 が良くなかった。KDE4 自体も良くなかったのだが、KDE4 の GUIツールキットである Qt4 も良くなかった。正確に言うと、Qt4 が悪かったのではなく、余りに理想を追い過ぎ改良しすぎたために Qt2や3 との互換性に乏しかったのだ。元々、Qt は、GNOME の GUIツールキットの Gtk よりもオブジェクト指向を持った先端的なもので、C++ や Ruby で使いやすかった。ところが、Qt4 では更に理想的にオブジェクト指向化を進めたせいか、Qt3 以前との互換性が犠牲になった。

私のように自作アプリケーションを作る人にとってプログラムをコンパイルしなおすだけで新バージョンに対応できないのはつらい。

結局、KDE4 自体も駄目だったのもあって、全面的に GNOME へ移行し自作アプリケーションは、先端的ではないこをと承知の上で、Gtk 用に作りなおすハメになった。

最新の KDE はマイナーバージョンアップが進み、より良くなっているとは聞く。だが、今更、戻る気にはなれない。

GNOME3 が、KDE4 の轍を踏むとは限らないし、まだ使ってもいないものをどうこうと評価するのも尚早なのかもしれない。

Ubuntu や Linux は、あまり話題にならなくなった。

それはブームが去ったのではなく、当たり前のように使われるようになったからに過ぎない。それでも、右肩上がりにユーザーが増え続けた時のような勢いが無くなったかのような錯覚を覚える。むしろ、今のように定常状態になってからの安定期での持続こそが大切なのだろう。

Unity や GNOME3、Ubuntu や Debian それぞれにどうなっていくのか?

単に、私の杞憂であれば、それに越したことはないのだが。

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