マツド・サイエンス研究所

手を動かしながら、ものを作る

先週、今週と色々な人と接する機会があった。

特に、創造性のある人たちと話をしていて、同じような「新しい物を創造する」プロセス一つとっても、業種によって千差万別だなあ・・と感じた。

私の場合、つまり宇宙開発においては、システムズ・エンジニアリングと言う名前の元に、まず、用途から考えて、トップダウン的に分割していくと言う方式が使われる。

しかし、アートの世界では、まず、色々作って、こねくり回して、新しい面を出すって言うやり方もあるようだ。

幾つかのアート的作品を見せてもらったが、確かに、それらは実際に作って、こねくり回さないと生まれないようなものだった。いくら、頭の中で考えても、そう言った形状や動きは、想像できない類のものだったからだ。

システムズ・エンジニアリングとかトップダウンとか格好を付けて言うけど、所詮、頭の中で考えるだけのこと。

多少は、コンピュータによるシミュレーションも入るが、ほとんどが、頭の中で想像できる範疇に収まってしまう。

しかし、人間は、複雑な三次元構造を頭の中で想像することができない。ましてや、複雑な三次元的な動き等、想像できるわけがない。

人工衛星が単なる直方体になるのは、それが原因じゃないかな? 直方体は2次元の形状の組み合わせで、頭の中でも容易に想像できるからね。同じ理由で衛星の動きが単純な運動に限られるのも複雑な三次元的な動きが頭の中で想像できないためだと思う。

試作品を作るとか言うと「コストがかかる」とか言って、省略する一方だけど、やはり実際に「手を動かして、物を作っていく」作業も必要なんだよなあ。

「システムズ・エンジニアリング」の中に、ちゃんと「手を動かして、物を作っていく」プロセスを入れ込むべきだと思うけど、これら2つは水と油なんだよなあ・・・

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