マツド・サイエンス研究所

STM32入門 何から買うか?

STM32に限らないが、新しいCPUを使い始める時に最初に悩むのは何から手に入れたら良いかだ。まあ、大概の場合、雑誌の付録になっているCPUボードとか、CPUメーカーが体験用に出しているボードから始める事になっている。

STM32の場合、DesignWave 2008年5月号に付いていた付録CPUボードや「STM32 value line Discovery」と言うボード、その他、ストロベリー・リナックスで扱っているCPUボードがコストパフォーマンスが良いと言われている。私自身、写真の右側にあるように DesignWave 2008年5月号の付録CPUボードと「STM32 value line Discovery」を持っている。だが、本当に、それがベストだろうか?

私の独断と偏見で言わせてもらうと、こう言った体験ボードは余り役に立たない。STM32をチップ単体で購入してスクラッチから回路を作った方が良い。(写真の左側の4つ参照)

STM32を本格的に組み込み用に使おうと思えば、いずれは嫌でもチップ単体から組み上げなきゃいけない。どうせ、チップ単体から組み上げる事になるなら、早い方が良い。体験ボードは本当に体験版でしかない。私は、DesignWave 2008年5月号の付録CPUボードと「STM32 value line Discovery」を、ほとんど使っていない。本格的に使い出したのは、CPUをチップ単体で購入してからだ。

もう一つの理由は、STM32が比較的簡単に最小構成回路を作れる事にある。

例えば、PICに入門する時、誰も体験用ボードから入れとは言わないよね。

これは、PICを動作させるには、外部に部品として抵抗一本あれば動かせる事もあると思う。

一方、H8とかSHに入門する時は、雑誌付録のCPUボードとか秋月で売ってるCPUボードから入った方が良い。これは、H8とかSHのクロックとかリセット回路が比較的難しい事と、特にSHの場合は電源電圧の変動に弱いからだ。スクラッチから作ると必ずしも上手くは行かない。だから、体験用ボードから入門すべきと言う事になる。

STM32は、PICほど簡単とは言わないが、外部に僅かコンデンサー数個を付けるだけで動作する。また、レギュレーターを内蔵しているので、単三電池2本で動作することが可能だ。

STM32をチップ単体から作る時の最大の問題は、半田付けしなきゃいけないことだろう。それも最低でも0.5mmピッチのQFPを半田付けする必要がある。

「いきなり0.5mmピッチのQFPを半田付けしろなんて、『入門』と名乗っておいて無茶を言う」と言われそうだ。でも、私は「STM32への入門」はうたっても「マイコン初心者の」とは言っていない。私自身、35年近く前に、8080Aをチップ単体で購入してオリジナル回路を組んだわけだから、とてもじゃないが「初心者」じゃない。この題名は「半田付けなどで腕に覚えのある人のための『STM32入門』」なのである。まあ、私の場合、8080Aをチップ単体から作った時は、完全初心者だったんだけどね。

さて、じゃあ STM32 を何処から買うかと言うと、秋葉原の部品屋では扱っていないようだから、ネット通販と言う事になる。私の場合、Digi-keyで買ったのだが、まず、Digi-keyのホームページで、STM32で商品検索し「組み込み - マイクロコントローラ、MCU」で絞り込むと、在庫部品だけで、183種ある(2011年11月29日現在)。価格順に並べると、なんと一番安いのは、STM32F101C4T6Aで単価180円だ。パッケージも48ピンLQFPだから、半田付けできるし。同じ単価180円で、STM32F101T4U6Aもあるけど、パッケージが36ピンVFQFNなので止めておいた方が良いだろう。

「わけが判らんけど、STM32F101C4T6A 買っちゃえ〜〜」と買ってから、動作させるために、結局、合計で5000円ほどかかった。何に、どうかかったかは追々説明するつもり。

まあ、『5000円で始めるSTM32』って言う訳。

ちなみに Digi-key で買うなら、今すぐ買うのは、ちょっと待ってね。

意外と送料が高い(と言っても2000円だけど)ので、他にも幾つか一緒に部品購入した方が良いので。

(具体的に言うと「AT93C56A-10SU-2.7-ND」単価20円を一緒に注文した方が良いのだが、これを何に使うのかは、いずれまた・・・)

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