Fox プロジェクト

マツド・サイエンティスト研究所・分室

速報! CMOS カメラ

Last update at the 8th of July 2002

 Fox に、超小型の CMOS カメラである Treva を接続し、画像取得に成功した。


はじめに

 Treva はDDI ポケットの PHS に対応した京セラ製の CMOS カメラである。
 実は、Treva を Fox のようなコンピュータに接続したくて、そのために信号ラインを調べようと、DDI ポケットの feel H" を買って使っていたのだが、CMOSカメラユニット「Treva」の解析 やトランジスタ技術2002年4月号に解析記事が載ってしまっている。 先を越されたのは仕方が無いけど、 Fox にも接続に成功したので、速報版でお知らせする。
 右が、 Treva を接続した Fox の全体写真だ。 速報! ネットへ アクセスでお伝えした汎用コンパクトフラッシュ・インターフェースの試作基板に Treva のインターフェースを追加している。
 写真では、全く判らないが、 Fox 基板の下に Treva とのインターフェース専用の CPLD が新たに追加された。汎用コンパクトフラッシュ・インターフェース用の CPLD と合わせて 2 個のCPLDを使った計算になる。
 新たに追加した CPLD には、 Treva から出るシリアル信号をパラレルに変換し、トリプルバッファに溜め、割り込み信号を発する機能が入っている。 Treva 使用例の多くが CPU でシリ・パラ変換し、バッファー無しで行っているのに対し、 Fox では贅沢にも CPLD でシリ・パラ変換してバッファリングまで行っているのは、 CPU の負荷を軽減するためだ。
 何のために CPU 負荷を軽減するのか?
 写真を、もう一度良く見てもらえば、基板上にコンパクトフラッシュ・タイプの LAN カードが乗っていることが判るだろう。 そう、 Fox では、 Treva と同時に LAN カードを使う事ができる。 OS は、もちろん NetBSD だ。 NetBSD による TCP/IP プロトコル処理の CPU 時間確保のために CPLD を使って Treva のための処理を軽減してるのである。
 Treva で撮った画像を、リアルタイム(とは言っても遅れ時間が大きいが・・)で、 TCP/IP プロトコルで伝送する事が可能だ。 つまり、 Web カメラ的な使い方もできるのだ。 もちろん、有線の LAN だけではなく、無線 LAN でも同様の事が可能だ。

撮影した画像

 左が実際に Treva で撮影した画像(モデルは私)だ。 Treva は 96 X 72 pixel の画素数しかないので、写り具合は、こんなモノである。 正直、鑑賞に耐えるものではない。 Web カメラとして使うには、せいぜいが防犯用が関の山かも知れない。
 むしろ、画像認識させて、自立型ロボットのセンサーに使う方が、 Fox らしいと言えば、 Fox らしいだろう。
なお、東芝製デジタルメモリレコーダ用デジタルカメラユニット(DMR-C1) は、Treva とほぼ同一のインターフェースで 352 X 288 pixel の画素数を持つらしい。


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