野田真紀のお気楽・極楽 英国便り

その11 スーパーでお買い物 6th August 1998


スーパーでお買い物

 スーパーで最初に買い物したのは、イギリスに着いてその日の夕方の事だった。すぐに料理をして食べなければならない状態だったからだが・・・。親切に、郊外の大型スーパーへ連れて行ってくれ、一時間程買い物に付き合ってくれた、主人の知人には本当に感謝している。最初に買ったものが何だったかは、覚えてないが、とにかく大きな冷蔵庫が一杯になるくらい買ったのだけは覚えている。調味料一つ持ってなかったのだから、大変な買い物だった。

 英語が判らないと大変だと思うだろうが、そうでもない。普段食料品に接している女性なら、英語で表示してあっても何となく判る。最初生野菜のコーナーからから回り始め、きゅうり・レタス・トマト・ブロッコリー・ジャガイモ・玉ねぎ・人参とトレーラーに放り込み。果物へ・・・。この野菜や果物は大きな箱にバラで入っており、秤売りがメイン。袋詰めやパックされているものは少ない。が、はじめはかり方も判らなかった私達は、袋詰めの物のみ買った。しかし、次に行った時には、「エクスキューズ・ミー」の一言だけで、他の買い物客にはかり方を教えて貰い買えるように・・・。何の事はない、バラで置いてある野菜をナイロンに入れ、デジタルはかりの上に置く。そして、沢山の野菜の写真の中から同じ野菜を選び押すだけ。これで、重さ何ポンドの何と言う野菜を幾ら分・・・とバーコード付きのシールが出てくるので、これを張るだけ。いたって簡単。

 こちらのキュウリはとても大きく、この秤を使えるようになった時、日本サイズのキュウリを見付け、”なんだ、小さいキュウリも有るじゃない。秤の使い方も分かったし・・・ルンルン”と、はかりで計って買った。帰って食べたら、前回食べたのと違ってパサパサする。”なんか変だなぁ〜”と思い、娘にも食べさせてみる。「うん、これはキュウリだ」と言ったのにサラダにしても食べない・・・。次にスーパーで良く見たら、キュウリでなくズッキーニだった。どうりで・・・。

 果物もほとんど秤売り。オレンジ類はスペイン産の物が主流で、小粒のみかんは日本のポンカンに味が似ていてとても美味しく、冬中買って食べた。リンゴはほとんどイギリス産のようで、大人の拳大くらいの小さ目のものばかり。これを丸かじりする。種類も多く、どのリンゴもとても美味しい。バナナは、皆好きな本数だけ折って取っている。はじめは、”こんな事しても良いのだろうか?”と心配で、多少多すぎても一房ずつ買っていた私だが、今では必要な数しか買わない。そう!折って欲しい本数だけ買い始めたのだ。

 お肉は、日本と同じようにポーク・ビーフ・チキンと並んでおりパックされている。日本と違うのはチキンのコーナーに丸ごとのチキンが山積みされており、しかもサイズ別に売られているのと、ターキーやラムも沢山売られている事ぐらいだろうか。只、日本のような薄切り肉はなく、チキンやポークのあら引き肉なんて言うのも、極僅かしか置かれていない。狂牛病騒ぎがおさまっているとは言え、子供には食べさせたくなくて、日本より格段に安い牛肉は買っていない。”食べないようにしているとは言え、焼き肉やステーキが恋しいよぉ”

 そして、魚。魚は新鮮な魚が売られている。魚屋のお兄さんに、欲しい魚を指差し、数を言って量り売りしてもらうのだ。ここの生鮭は、かなり美味しい。豊富な種類のハム・ベーコン・ソーセージ。毎回色々試したが、外れはない。チーズも種類が豊富。ただ、これは当たりはずれが或る。でも、これは個人の好き好きなので、なんとも言えないが、”今回は当たりかな?”と思って買うのも楽しい。卵は12個入り、6個入りと色々或るが、皆卵の派入ったケースを、おもむろに開け、中を確認してから、トレーラーやかごに入れる。ひび割れたりしていないかを確認しているだけだが、はじめは、この中身を確認するのもためらったものだ。

 調味料は、醤油もキッコーマンの瓶の物も売られているし、ソースやケチャップ・オイスターソースまであり、不自由はしない。沢山或る中から、”これっ”と思って買った砂糖は、粒の大きいざらざらの物で大失敗。何度か挑戦したが、今だにさらさらの砂糖に出会っていない私・・・。この砂糖の入った紙袋の包装がいい加減で、袋が破れているのか・・・砂糖がこぼれるのだ。そう!ここでは、日本のように過剰包装でないのは良いが、砂糖だけでなく米も、しばしばこぼれ落ちる。こんなの対した事ない方。時には牛乳のボトルからも、牛乳がもれてきたりするのだから厄介だ。私は、牛乳を購入の際、ひっくり返して底を見。もれた形跡はないか・・・ひっくり返しても口から漏れて来ないか・・・を見ている。他にマヨネーズは、日本の物より薄味で瓶詰め。ドレッシングは沢山種類もあるが、日本の物の方がずっと美味しい。特にさっぱり味の柚子やシソ風味のドレッシングが恋しくなる。

 米やパスタは、種類も豊富で安い。主食のパンも種類が多くて安い。日本で言うパン一斤は、3種類のスライス別で売られている。一番厚いパンでも、日本のサンドイッチ用の物くらいだ。他にもハンバーガー用やカレーの為のナンまである。子供の好きなお菓子は、イギリス人の大人も大好き、チョコレートやクリスプス(ポテトチップ)は、大袋から小さい一袋売りまであり、陳列棚何個分もある。こちら独特のクリスプス『ビネガー寃\ルト』味は、とても酸っぱいが、我が家の娘は大好物だ。

 そして、牛乳。量も種類も豊富。巨大なミルクを買ってしまうと冷蔵庫に入らない。はじめどれでも同じ・・・と常温保存のミルク6本入(6リットル)を2つずつ買っていた。我が家は一週間で大体、9〜10本のミルクを飲んでしまう。だが、保健婦さんの訪問以後、『子供には100%ミルクが良い』に従って、買い出し日には、フレッシュミルク4パイント入り(約2、2リットル)を買っている。(他にも1パイント・2パイント・4パイント・6パイント入りと、サイズも色々ある)そして、ビールやワイン。アルコールの弱い主人だが、こちらのビールは大好き。冷やさなくて良いので、冷蔵庫からあふれ出る事もなく大変嬉しい。”そう、私はアルコール大好き!!主人より強い。”

 最後は冷凍食品。ここは、冷凍ピザからカレーライス・焼きそばのように暖めるだけの物。肉の固まりや魚(ほとんど鱈の仲間)にエビ・野菜(ブロッコリーや豆)・そして、デザートの冷凍ケーキやアイスの多い事。どうしても時間の無い時ように、我が家の冷凍庫にも、チキンナゲットとポテト・そしてフィシュフィンガーを常備している。そう、こちらの冷蔵庫は、冷蔵庫部分より冷凍庫部分の方が大きい。だから、一週間分のパン4斤や、大袋のポテトやナゲット・グリンピースやお肉にケーキまで、入れておけるのだ。

 そしてスーパーで何よりも、私が目を引きつけられるのは、『BUY 1 GET 1 FREE』だ。その言葉通り、1個買えば2個目はタダ。この他、2個買うと3個目タダや1個買えば2個目半額なんていうものまであり、いつも買うシャンプーや洗剤・お弁当用のジュース等だと、つい買いだめしてしまう。他にも、赤ん坊用の下着類やオモチャ・本やCD・キッチン用品・ペット用品・バーベキュー関係の物まで売られているスーパー。

 1週間分の食料品の買い出しに約1時間使い、そろそろレジへ・・・レジは、大型トレーラーを持っている人専用・かご1つ分の人専用・どんな人でもOKまであり、我が家は大型トレーラー用へ・・・ベルトコンベアが動いているところへ、トレーラーに入っているもの全てを自分で、このベルトコンベアに乗せて行く。そうするとレジの人がバーコードを通し、またベルトコンベアに戻す。それを今度は、スーパーの袋にどんどん詰めていくのだ。これがなかなか大変。レジの人はバーコードを通すのが速いし、袋に詰めトレーラーに戻していかなければならないのだから。

 最後に、支払。ほとんどの人がカードで支払う。だから、日本のようにカードを出すと、とても時間がかかると言う事もなく、レシートと同じにサインするシートも出て来てあっという間に支払いも済む。ここで注意したいのが、ベルトコンベアに乗せる時、重い商品から乗せなければならない・・・と言う事だ。何故なら、軽い野菜やパン等を先に置いてしまうと、トレーラーの下の方にこれらが入れられ、上に置かれるのが重い物・・・牛乳6本入り等になり、先に入れたトマトがつぶれていたり、割れてない卵を選んだにも係わらず、割れてしまう事になるのだ。買い出しも、結構重労働!!


Copyright (C) 1998 野田真紀