野田真紀のお気楽・極楽 英国便り

その16 写真屋さんと顔見知り 21st October 1998


写真屋さんと顔見知り

 さて、こちらに来て、記念にと言いながら写真を撮り続けている私たち。
 最初、現像に出す時は、どうして良いのか判らず、何本もため込んでいた。でも、一度出してしまうと、どうってことはない。こちらの写真のサイズは、日本の2Lサイズにあたるものが普通サイズ。1時間仕上げと言うと、込んでいなければ1時間後にちゃんと出来上がっていると言うわけだ。さて、この写真屋いつも買い出しにいく、大型スーパーの中の写真屋で、はじめは他のお客と変わらず、必要な事以外話さなかった。

 ところが、6月に私の両親が、渡英した時から、「ノダァ」と呼ばれ、世間話をする仲良しになることになる。どうしてかって?私の両親は、我が家を訪問する前、日本の仲良し友達とツアーを組み、イギリス・スイス・パリ・ロンドンと観光して来ており、写真好きな父は、なんと24本ものフィルムを持って、このスーパーの写真屋を訪れ、一緒に付いていった主人は、一躍有名人になったのだ。確かに、一度に24本も現像に出す人なんて、いないだろうからもっともかもしれない。しかもこれには、おまけがついており、24本の写真の現像が終わり、引き取って帰ったところ、ネガがすべて1つの袋に入れてある・・・と言う事になっており、ネガ入れのナイロン(フィルムバッグと言うらしい)を貰うため、再度お店を訪れ、店員に何度も説明し、ようやくフィルムバッグを、ゲットした私も含め、すっかり顔が知られてしまったのだ。

 このフィルムバッグを貰いに行く時、父に「物を見せる方が簡単だろうから、見せてこれと同じ物を24本分頂戴と言ったら?」と既に我が家にある、フィルムバッグ入りネガを渡した。父は、「うんうん。そうだな」と言っていたので、自分で頑張るのだと思っていたら、出かける段になって「さぁ、真紀行こうか!」”えーっ?!自分で行くんじゃないの?ずるーい。”と言うわけで、ジェスチャー入りの、私の妙な英会話が披露されたのだ。はじめ24本分と言ってるのに、24枚分。つまり、ネガ1本分しか貰えず、もっとなのよ・・・と冷や汗をかきかき説明。3度目に「あー、やっと理解したわ!!」と店員が力強く言って、沢山出し始めた時はホッとしたものだ。

 その後、ここを訪れる度「ノダァ、コッツウォルズに行ったの?」とか、すっかり顔見知りで、世間話をするようになった私たち。それにしても、ちょっとした会話しかしなくても、親しくされると、なんだか嬉しいもの。こんなところで顔見知りをつくるなんて、なかなか出来ないでしょ?

 他にも、私たちの漢字のサインに、興味を示す店員さん達の多い事、このサインのおかげで、ちょっとした会話が出来る事も多いのだ。「これは、なんて書いてあるんだ?」とか「おー芸術だなぁ」とか、サインは、漢字に限るかも・・・。
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