マツド・サイエンス研究所

小惑星へ行く有人宇宙船

オバマ米大統領が「2030年代には火星軌道に、2025年には小惑星へ有人探査」と発表した。

左の図(クリックすると画像が拡大)は、私が、3年前の2007年に「有人小惑星探査の研究を基礎的で良いからやらしてくれ」と、某組織の理事長に提案したところ、時期尚早と断られた時に作ったもの。オバマ大統領の言っているものではないので、注意!

3ヶ月で、小惑星に往復する有人宇宙船だ。軌道上で、1500トンになる巨大なもので、総コスト1兆4千億円!

なお、名称だが、

・地球離脱ブースター:「あほうどり」

・小惑星での減速離脱機械船:「あじさし」

・居住区:「かけす」or「とき」

・帰還カプセル:「かわせみ」or「きじ」

・小惑星探査有人ロボット:「こげら」or「ふくろう」or「このはずく」

・地球周回軌道上での組み上げ場所:「こうのとり」

と全て、鳥の名前で考えている。

その後、NASAで有人小惑星探査を検討している人が”SF大会”に出るために来日した時に、川口先生などと集まって、情報交流した。そのとき、プレゼして川口先生に「クレージーだ」と言われた。

同じ時、NASAの人(Pete Worden だと思うんだけど、記憶が定かでない。夫人がSF作家の人で、2007年のSF大会・ワールドコンに出たNASA or JPL の人、覚えている人が居たら教えて)のプレゼでは、「地球近傍を通り過ぎる小惑星を選べば、もっと簡単に小惑星に行ける」と言う計画だった。

やられたなあと思いつつ、それで良いのかなあと当時思った。

「地球近傍を通り過ぎる小惑星」とは、月軌道の内側を通過するような小惑星で、何十年に一個しかない。こう言う小惑星を選べば、地球から最大350万キロしか離れないで済む。月の10倍程度だ。

私の計画の場合、そんなに地球に近づかない小惑星を相手にするので、数千万キロの大旅行になる。ちなみに火星が最も地球に近付いた時、約8千万キロの距離がある。

地球から350万キロの場所が、深宇宙じゃないとは言わないが、それじゃ、その後の火星とか小惑星帯へのステップにならないんじゃないかなあ?

今回のオバマ大統領の言った小惑星有人探査が、こう言った「地球近傍を通り過ぎる小惑星」とは限らないけど、どうなんだろう?

しかし、当時、有人小惑星探査は誰にも相手にされていなかった。

私たちも正式に研究を認めてもらえなかったので、個人的&自腹持ち出しで検討するしかなかったし、NASA or JPL の人も上層部に認めてもらえず、SF大会に出席するために来日したついでに我々と会っていた。

それが、オバマ大統領が「小惑星有人探査」を口にするとは、進歩したもんだ。

私たちも負けていられないなあ。

3年前に時期尚早と言われた後、言い返せなかったのは、「その後どうするか」と言う問いに答えられなかったから。

次の年のブログの

【人類は宇宙へ飛び出そう まずは小惑星から】

や、さらに次の年の宇宙暮らしのススメも、「その後どうするか」の問いに答えるためのものだ。

人類が宇宙に銀河に広がる。その第一歩として、小惑星帯に広がるために。

注意

ブログのコンテンツの内、「告知」など時期よって情報価値が無くなるのは除いてある。また、コンテンツに付いたコメントは書き込み者に著作権があるものと判断し、ここに持ってきていないので、コメントを見るときは、元々のブログコンテンツを参照してもらいたい。

その他、ブログ発表後、コメントなどの内容を反映するなど、内容を変更しているものもあるので、注意してほしい。