マツド・サイエンス研究所

Windows 8.1 ディープな Tips

Windows8.1のタブレットPCを購入して、もうすぐ1年。

その間に雑誌や入門書に載っていない使い方を幾つか見つけたので紹介する。

なお、私のタブレットPCは、レノボ Miix 2 8 で有償版Windows8.1でMS Office付き、加速度センサ、GPSセンサの他、ジャイロセンサ、磁気コンパス等は全て付いている。以下のTipsは、私のタブレットPCで全て正常動作しているが、搭載OS・Officeやセンサ等で違いがあるかもしれないので、ご承知おきを。

【Tips その1 パノラマ写真 レベル:初級】

スマホなどのようにパノラマ写真が撮れる。

何の準備も設定も必要ない。

モダンUIのスタート画面から「カメラ」アイコンをタッチして、カメラをスタート。

カメラアプリの画面で、多くのWindows8.1入門書には、右端に「動画・静止画」を二つのアイコンが並ぶと書いてあるが、Miix 2 8の場合、「動画・静止画・パノラマ写真」の三つが並ぶ。

パノラマ写真を撮るときには、この「パノラマ写真」アイコンを押すだけ。少し撮影速度が遅いのが気になるが、タブレットPCをゆっくりと振るとパノラマ写真が撮れる。

パノラマ写真は、ピクチャフォルダーのカメラロールの中に入っている。見たいパノラマ写真を選ぶとパノラマ写真が見れるのだが、タッチやマウスで左右・上下にスクロールできるだけではなく、右端のアイコンをオンにすると、タブレットPC自体を振って、それに連動してスクロールすることもできる。

パノラマ写真撮影時と再生時の動作からみるにジャイロセンサを使っているようだ。同じWindows8.1 タブレットPCであるデル Venue 8 Proは、ジャイロセンサが非搭載なのだが、デル Venue 8 Proでは、パノラマ写真を撮るためのアイコンは表示されなかった。

【Tips その2 数式入力パネル+Microsoft Mathematics レベル:中級】

手書きで入力した数式が微分積分、グラフ表示など、数式処理してくれる。それも無料。

「数式入力パネル」は Windows8.1に標準装備だが、Microsoft Mathematicsは、ダウンロード・インストする必要がある。と言ってもMicrosoft Mathematicsは無料だが。

Microsoft Mathematics のインストや使い方は、、算数、数学の宿題を爆速で終わらせる「Microsoft Mathematics」を紹介するで紹介されているので、ご参考に。

ポイントは、 、Microsoft Mathematics 4.0 (英語)から、「英語」とあるけど構わずインストールすると日本語で使えることだ。

上記リンク先では、「クソ」と酷評されたUIだが、Windows8.1に標準装備されている「数式入力パネル」を使えば、数式を手書きで入力できるので、極めて便利だ。数式を手書き入力する時は、

このコンテンツ

で紹介したタッチペンが役に立つ。

定積分とか、楽々やってくれるので、とても良い。

【Tips その3 IIS + CGI レベル:上級】

タブレットPCなのに、その中でWebサーバーを動かし、CGIアプリを使うことができる。私は日記とWikiを動かしている。

IIS自体は、Windows8.1標準装備だが、CGI用のアプリとかスクリプト言語は追加インストが必要。Apacheなどでの実装経験が無いと難しいだろう。

特にファイアウォールやセキュリティの知識・経験のない人には薦められない。

以下、日記CGIであるtdiaryを例に説明。

・Webサーバーを動かすまで

 ・「コントロールパネル」「プログラム」「Windows の機能の有効化または無効化」

  ・管理者アカウントの確認ダイアログが出たら「続行」

 ・「インターネット インフォメーションサービス」チェックボックスをクリック

 ・「インターネット インフォメーションサービス」の左側の+ボタンを押して展開。

  ・「インターネット インフォメーションサービス」「World Wide Web サービス」「アプリケーション開発機能」「CGI」 を有効にして、「OK」

 ・http://localhost/ にアクセスして確認。

  ・ルート・フォルダは、デフォルトで C:\inetpub\wwwroot

・ruby

 ・CGI としては、 ruby を主に使うので、これをインストール

 ・、RubyInstaller for Windows の Download に Rubyのインストールファイルがあるのでダウンロードして、実行。

・tdiary

 ・C:\inetpub\wwwroot\tdiary 以下に tdiary のファイルをコピー

 ・日記データのディレクトリは C:\forLocalWeb\diary とする。(C:\inetpub\wwwrootの下層にしたり、ユーザーディレクトリーの下層にすると失敗する)

 ・「インターネット インフォメーション サービス(IIS) マネージャー」を起動

 ・左欄の「接続」の「HOGE」「サイト」「Default Web Site」「tdiary」を選択(HOGEは、タブレットPCのPC名)

  ・中の欄の「ハンドラーマッピング」をダブりクリックし、右の欄の「スクリプトマップの追加」をクリック。

  ・「要求パス」:「*.rb」

  ・「実行可能ファイル」:「C:\RubyXXX\bin\ruby.exe "%s" %s」(RubyXXXの部分はインストしたRubyのバージョンに依存)

  ・「名前」:「Ruby」

 ・以下の2つを修正(この部分は、tdiaryの説明を参照のこと)

  ・C:\inetpub\wwwroot\tdiary\tdiary.rb

  ・C:\inetpub\wwwroot\tdiary\tdiary.conf

 ・「インターネット インフォメーション サービス(IIS) マネージャー」の左欄の「接続」の「HOGE」を選択

  ・右欄の「サーバーの管理」「再起動」

 ・http://localhost/tdiary/index.rb をアクセスして確認。

・注意:「Windowsファイアウォール」を有効にしておかないと他のPCから日記の内容を覗かれてしまうので、注意が必要。

【考察】

最初にも書いたが、上記のTipsはいずれも、Windows8.1入門書やパソコン雑誌に載っていない。もちろん、大量に出版されているWindows8.1入門書やパソコン雑誌を全て完全に網羅したわけではないが、大型書店で立ち読みした限り、これらのTipsを見つけることはできなかった。試しに、今、市立図書館から、Windows8.1入門書を6冊借りているが、どれにも載っていない。

また、IISについては「入門書」に載っていないのは当たり前だが、「Windows Server」の設定書にもほとんど載っていない。私が調べた限りでは、IISのWebサーバー機能の有効化までは載っていたが、CGIの設定方法は載っていなかった。

従って、「Microsoft Mathematics」も「IIS」もネットの情報頼り(パノラマ写真は自力解決した)。どういうこと?

ここからは、私の憶測。

沢山出版されている「Windows8.1入門書」も「パソコン雑誌のWindows8.1紹介記事」も、どれも同じような内容。思うにマイクロソフトが「こう言う使い方をして欲しい」と言うことしか書かれていないと思う。

逆に言えば、上記のTipsはマイクロソフトが望んでいない使い方だってこと。

例えば、パノラマ写真。これは別にマイクロソフトに困らないようにも思う。しかし、前述したように、レノボのタブレットPCでは使えるけど、デルでは使えない機能だ。

マイクロソフトに「なんで私のタブレットでパノラマ写真が撮れないんだ」とクレームが来るのを恐れているからかも知れない。

また、「Microsoft Mathematics」も「IIS」も比較的古いソフト。マイクロソフトとしては、近い将来、フェーズアウトを考えているのかもしれない。だから、新規のユーザーが増えるのを嫌っているのかも知れない。

とは言え、「Windows8.1入門書」も「パソコン雑誌のWindows8.1紹介記事」も右に倣えで、同じことばかり書いていたんじゃダメだよね。たとえマイクロソフトが眉をしかめようと「こんな意外なことがWindows8.1でもできる」と言う記事も書いてくれないと面白くない。上記のTipsの中は、いずれも「iPhoneやAndroidだったらパノラマ写真撮れるのに」とか「Linuxだったら、ApacheでWebサーバーとCGI使えるのに」と、Windows8.1だとできないと思い込んでガッカリとだったので、できてビックリと言うもの。(同じことが、最近のLinuxやUbuntuにも言えて、LINUX関係の雑誌が、みんな同じ内容でつまらない)

なぜ、雑誌や書籍が、マイクロソフトが望んでいることしか書かないか。それこそ憶測でしかないが、広告収入のせいなのか、著作権を盾にした押しつけなのか、それとも出版社側が過剰に臆病になっているのか、それは判らない。

実は、マイクロソフトは嫌がるだろうけど、一番欲しいのは、マイクロソフトアカウントだろうが、ローカルアカウントだろうが、マイクロソフトでも他の誰でも、絶対アクセスして欲しくないファイルを、何処にどうやって置けば安全かと言う情報。LINEがメールアドレスを読むようなことがあって以来、プライベートキー(秘密鍵)などを何処に格納すれば良いのか、判らなくなってるんだよね。マイクロソフトアカウントを使うとWebブラウザの「お気に入り」とかの設定が同一アカウントで共有されるってことは個人情報がネット上に流れているってことだよね?そういうことが一切できない場所にプライベートキー(秘密鍵)を入れておきたい。一方、モダンUIを使うアプリは事実上ストアから購入するしかないのだが、ストアを使うにはマイクロソフトアカウントを使うしかない。本当に秘密にしたいファイルは、何処に入れたら良いんだろう?

マイクロソフトが嫌がろうがなんだろうが、私のようなギークがWindows8.1を積極的に使うには、こう言う情報が一番欲しいんだ。

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