野田篤司の英国文化考

その3 ビール(エール) 8th May 1998


英国のビールは美味い!

 これは、私と妻が、とても気に入っているビール(エール)である。珈琲の項でも述べたが、私は酒に弱い方で、そんなに飲む訳ではないが、英国のビール(エール)が美味いことくらい判る。

 英国のビールは、ラガー(日本で普通に売っているビールと同種)とエール(日本で黒ビールと言う名で売っているビールに近い)の2種がある。その他に外国産ビールとして、バドワイザーやクアーズ、ハイネッケン等がある。私の住んでいるギルフォードは田舎(?)なので売ってないが、ロンドンなどでは日本製のビールも売っているそうである。

 ここで話題にするは、2番目にあげたエールに付いてである。以前、日本で黒ビールを飲んだ時は美味いとも何とも思わなかったのだが、英国で飲むにつれ、その美味しさに魅了されてしまった。

エールは冷やさないで飲む

 このエールなるものは、冷やさず、室温で飲むものである。生ぬるいビールなんて、美味しいはずがない・・・誰もが、そう思うであろう。私も、そう思った。
 だが、騙されたと思って、この『生ぬるいビール』を飲んで欲しい。きっと貴方も、その美味しさに驚かれるはずだ。(日本の黒ビールも冷やさずに飲んだ方が美味いのかなあ?)

 写真のエールは、私と妻が色々と飲み比べて、一番美味しかったエールを2つ選んだものである。写真左が『Pedigree』(血統と言う意味、日本のドックフードとは関係なし)、右が『HOBGOBLIN』(的棒を持った小悪魔)と言う名前である。なお、誤解の無い様、付け加えておくが、エールには、それこそ星の数ほど種類があり、その全てを飲み比べた訳ではなし、私達に利き酒の才能がある訳でもない。したがって、この2つ以外以上に美味いエールも、きっとあるはずである。ただ、単にこの2つなら外れは無いと言うだけのものとして受け取って欲しい。(もっと、美味しいエールの銘柄を知っている方、是非、教えてください)

日本は不味いビールばかり売っているのか!

 日本のビールを考えると、『もしかしたら、日本では世界一不味いビールを売っているのではないか。』と言う気がしてきた。いや、これは私や妻だけの意見ではない。英国在住5年で先のHOBGOBLINと言う銘柄を教えてくれたH氏や私の前に英国に居たK氏、英国を訪ねてくれた私の父も同じ意見である。特に、父は、仕事柄、中国、香港、東南アジアへ行く機会が多いのだが、そこの土地々のビール(いわゆる地ビールかな)も、とても美味いと言う話である。

 特に某社のなんとかドライって奴は、酷く不味いぞ。
 いや、それでもアメリカのバドワイザーやクアーズよりは、ましか。
 前言撤回、日本は世界で二番目に不味いビールを売っている国である。名誉?ある世界一の称号は、潔くアメリカにゆずろう。

 誤解の無い様、付け加えておく。
 私は、世界の悪法?・酒税法のため、事実上独占状態になっているビール4社の製品に付いて、文句を言っているのだ。細川元首相のおかげで、少しずつではあるが、日本にも地ビールが出来てきた。一度試した事があるが、なかなか良い。もっと、地ビールに頑張ってもらいたいものである。

嗚呼、それなのに!

 そんなに美味いビール(エール)のある英国なのに、スーパーマーケットのビール売り場では、エールよりも、バドワイザーやクアーズ等の外国産ビールが大きな顔をしているのだ。誰が、あんなクソ不味いビールを飲むのだろう? 嗚呼・・・・ くたばれ! アメリカ帝国主義!

イギリスって言えば、スコッチじゃないの?

 ところが、あまりスコッチを飲む機会が無いんだよね。周りの人(英国人)もあまり飲んでいないし。もちろん、酒屋やスーパーマーケットには、スコッチも売っているんだけど、エールよりも更に売り場面積が少ない。一度買って飲んだけど、そんなに美味しい気もしなかった。
 スコットランドの方は水が、軟水で日本に近いらしい。その辺が、エールとスコッチの普及度差なのかどうか? この夏にはスコットランドへ遊びに行こうと思っているので、スコッチについては、その時調べよう。

英国でエールを飲もう

 英国を旅する機会があったら、是非、エールを試してください。
 エールを飲む方法は、簡単。
 一番安いのは、酒屋かスーパーマーケットで買う。
 簡単なのは、レストランやパブで飲む。なお、パブの場合、飲み物と食べ物を頼むカウンターは別になっている。また、食べ物はクレジット・カードが効くのだが、何故か飲み物は現金払いと決まっているので、現金の用意を忘れずに!!


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